コーリン鉛筆の最高級鉛筆がハイピアスとしたら、ピアスはその廉価版。三菱鉛筆のHi-uniとuniのような関係ですね。しかし、ハイピアスよりも見つけづらく、希少価値で言えばハイピアスよりもこちらのピアスの勝ち。という、不思議な商品です(笑)。私はHBとFの2硬度を持っています。
品番:No.3030 硬度:4H~4B 写真はHBとF。
値段:1本30円 1ダース360円
発売時期:1963年には少なくとも発売済み
木軸直径:未計測 芯直径:未計測
ハイピアスのこちらで説明しているのと同じように、ピアスもどうやら硬度ごとに帯の色が異なる模様。ここからは私の想像なんですが、当時の日本製高級鉛筆発売としては後発組だったために、先発組との差異をつけるため、「じゃあうちは硬度ごとに帯の色を分けるよ。それでさらに手をかけた感を出そうじゃないか」ということになったんではないでしょうか。後にハイピアスは廃盤となり、コーリンとしての高級鉛筆はG-COREに代替わりをしていくのも、そのあたりのコスト高が原因ではないかなぁとおぼろげに想像しています。
そしてこのピアスは、その品番No.3030のとおり、後の緑軸のNo.3030へと姿を変えたのではないかと。あくまでも私の推測の範囲ですけども。
G-COREや緑軸のNo.3030はコーリン最後まで生産販売されていたようですから、ハイピアス・ピアスの流れはずっと続いていた。…こう考えると、なんだかプチ歴史とプチロマンを感じますねぇ。
写真を続けます。
ピアスは頭付け無しでした。(後のNo.3030には頭付けあり。No.2020という、No.3030にそっくりなのにあまり知られていない商品は頭付け無し)。
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そうそう、ピアスというと、こちらに当時の広告を紹介されているブログがあります。古い広告を集めたもので、探すとコーリンものも結構沢山あるんですよ。
ぜひぜひごらん下さい。
※教えてくださったけふこさん、ありがとうございます!
・ピアスの広告「昭和の雑誌広告・懐かしモノ」さん
硬度の塗り分けですが、ハイピアス新発売時の商品紹介に「カラーベルトという新しいアイデア」という一文がありますが、1963年発売の「ピアス」ですでに採用されていたんですよね。
この「F」は昭和46年9月製造かな?。
>Nikichiさん、
すっかり寒くなってきましたね。お元気でしょうか?
貴重な情報ありがとうございます。
Fが昭和46年9月製造だとすると、ハイピアス発売時の商品紹介コピーから考えると、もしかしたらピアスの帯塗り分けは、発売当初(1963年)には単一色で塗られ、ハイピアス発表後に、塗り分けされたとも考えられますよね。
むむむ…。そんな気がしてきました。
実証できる文献、もしくは1963年~ハイピアス発売までの年代特定できるピアスの複数硬度を入手したいところですね。
ああ、また宿題が増えてしまった…。
商品集めはぼちぼちスピードを緩めようと考えていたのですが、なかなかできないものですね(苦笑)。
Kero556さん
そうですね、かなり寒くなってきました。峠は路面凍結を始めていますので遠出もしていません。
カラーベルトの件ですが、ご指摘が気になって今、ガサゴソやったのですが、
http://karikachi.kitunebi.com/bungu/colleen/pierce.htm
このページに写っている箱が古いタイプで昭和40年の広告に使われていることを確認済みです。
神戸でお会いしたあとこの古いケースに入っていたブルーを一本お送りしたかと思いますが、これは硬度が「ベルト」ではなく「窓」タイプですのでハイピアス登場前は墨芯鉛筆のほうも四角い箔押しで「HB」などと表記していた可能性が高くなりましたね。
ご紹介の「昭和の雑誌広告・懐かしモノ」に掲載の広告の鉛筆の字体もブルーのピアスに酷似しているように思います。
私は墨芯はHB・3H・3Bの三種を持っていますがいずれも昭和45年以降のタイプです。
ブルーの製造記号は「CC144」、グリーンが「CG144」で、この表記方法は私の推測では昭和44年頃まで使用されていたものです。
>Nikichiさん、
おお、そういえば、そうでした。
窓タイプでしたよね。
いま現物をやっぱりまだ別場所に保管したままで確認できませんが、明日、別件で鉛筆削りを資料貸し出しするのに保管場所に行くので、そのときに取り出して、実物で確認してみます。