珍しい手帳用鉛筆を入手しました。とある文具店さま(訂正)とある素敵な文具仲間さまからの頂戴ものです。

以前に手帳用鉛筆としてNo.350を紹介しました。No.350も古い物ではありますが、ある程度世の中の手帳用鉛筆に「これこれこういう規格で統一しましょう」的な動きがあってからの製品かと。他社からも同サイズの手帳用鉛筆が出ていましたので(これは想像ですけども、手帳用鉛筆を下請けする会社が集約されてきたから、なのではないでしょうか)。

 

しかし、こちらは違います。自分でも苦笑するのですが、これを見せていただいた瞬間、手に持つ前から「あ、この手帳用鉛筆は軸木の直径からして違う、貴重な資料だわ」と感じたのです。

手帳用鉛筆No.25/コーリン鉛筆(COLLEEN)

手帳用鉛筆No.25/コーリン鉛筆(COLLEEN)

品番:No.25 硬度:不明 値段:不明 発売時期:後述
木軸直径:5.8mm 芯直径:不明 全長:12cm
※素人計測のため、直径サイズには誤差があるかと思います。

 

直径について
「レトロ鉛筆 手帳用」などの枕詞がついて、オークションなどで入手しやすい時代の手帳用鉛筆は軸木の直径が5.2mm~5.4mmくらいのものが多いのですが、こちらは5.8mmと太めです。たかだか0.5mm前後の違いと思われるかもしれませんが、鉛筆収集家としてはこの太さの違いは見逃せません。

長さについて
これも入手しやすい比較的近年の手帳用鉛筆に比べると長め。12cmあります。入手しやすい手帳用鉛筆は、頭に金属(時には消しゴムも)がついているために、これと同じくらいの長さに思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、確実に木軸のみの長さで考えると長いのです。直径と長さだけ見ても、手帳用鉛筆の、業界内の暗黙の規格めいたものが出来上がる以前の製品であることがぼんやりと見えてくるのです。

手帳用鉛筆No.25/コーリン鉛筆(COLLEEN)

手帳用鉛筆No.25/コーリン鉛筆(COLLEEN)

塗装などについて
塗りはニス塗り。頭に金属はついていませんが頭付けがしてあります。この頭付け、細い軸にもかかわらず高いRが出ていて、しかもいびつでもない。とても繊細な仕事をしています。先付けはサンダーです。と言っても、数多く(ブログには書いていませんが)手帳用鉛筆に触れてきましたけども、カッターで先付けしてあるモノには未だお目にかかったことはないです。※どなたか見つけたらご一報ください!m(_゛_)m

(A)の刻印が
写真から見て取れるでしょうか。赤い頭と銀色の帯のすぐ右側に、○で囲んだAの刻印が押されています。これは公定価格の印と見ることができます。なお、手帳用鉛筆の公定価格は、普通の鉛筆よりも少ないAとBの2段階のみでした。鉛筆の公定価格は確か昭和15年に制定され、昭和24年まで生きていました。昭和16年に公定価格を印字するように決まっています。と言ってもきちんと守られていたようではないのだけども…)。
ただ、A・Bなどは輸出用の記号でもあったので、断定はできないのですが。

使用木材
インセンスシダーではないです。おそらくは内地材。コーリンは、北海道に製材所をもっていました。(北海道産だと「内地材」とは呼ばないかしら?…まあともかく日本国内、北のほうで採れた木材でしょう)。

どの程度古いものなのか?
年代を絞っていきます。1930年代~40年代と推測。昭和でいうと、昭和一桁から戦後すぐ(で、JIS前の昭和25年)の商品ではないかと。記号(A)が公定価格の印だとすると、さらに時代は絞られ、昭和15年から戦後すぐのものとなります=つまりは1940年代。

ついでに。
COLLEENの文字がありますが、~昭和22年までの社名は「赤木廣八商店」、昭和22年の少しの間は「インセンスシダー製作所」。ということで、このCOLLEENは社名としてのCOLLEENではなく、一ブランドとしてのCOLLEENであった可能性大でもあります。

 

 

なんだか久々の鉛筆についてのエントリーなので長くなっちゃいましたね。
お付合下さった皆さま、ありがとうございます。

次回も珍しい手帳用鉛筆について書いてみます(短めで^-^;)

 

——————————-
2011.08.01(月)追記
とある素敵な文具仲間さま・たいみちさんから、残りの緑色・紫色を頂きました。
3本並べるとこんな感じに。なんてキュートな!
たいみちさん、ありがとうございましたm(_゛_)m

手帳用鉛筆No.25/コーリン鉛筆(COLLEEN)

手帳用鉛筆No.25/コーリン鉛筆(COLLEEN)

手帳用鉛筆No.25/コーリン鉛筆(COLLEEN)

手帳用鉛筆No.25/コーリン鉛筆(COLLEEN)

 

11 Responses to 手帳用鉛筆No.25/コーリン鉛筆(COLLEEN)・追加写真あり

  1. これはまた貴重な鉛筆ですね。
    公定価格を表すアルファベット記号まで押さえているのはさすが。
    戦前の製品と見てまず間違いないと思います。
    というか、
    一見しただけでコンマ数ミリの軸径の違いを見抜くなんて、
    鉛筆オタクにもほどがあります(笑)

  2. kero556 より:

    >赤青さん、
    推測を重ね、さらに妄想を加えると、戦前のものです!と言い切れちゃうんですが。
    でもまあ戦前のモノですよね。
    てか、コンマ数ミリの違いって、鉛筆ほどのものであれば見たら分かりますよね?
    メーカーの人なら当然でしょうし、
    赤青さんだって、Nikichi師匠だって、ぜったい分かるはず。他にもいらっしゃるはず。
    ましてやこんな細い手帳用ですもの。分かりますとも。

    次回エントリーはこれより時代は下りますが、やはり珍し気味の手帳鉛筆です。

  3. nikichi より:

    現役文具店からの掘り出しですか!
    歴史ある所でないと出てこないものですね。実は道内でこれの緑バージョンを見た事があります。
    非売品でしたが、大正から昭和初期風のデザインの手帳鉛筆数本と一緒に所蔵されていました。
    これも相当古いでものとみて間違いないですよね。
    コーリンでは無いですが、若干古い手帳鉛筆があるのでノギスで測ってみようかな。

  4. kero556 より:

    >Nikichi師匠、
    文中、誤りがありました。とある文具店さまではなく、とある文具マニアな方からのいただき物でした(滝汗)。骨董市で見つけられたそうです(確か)。緑のほかに紫verもあるそうなので、続報をおまち下さいませ。
    手帳鉛筆の変遷も追っていけるといいなぁと思ってるんですが、なかなか…。
    師匠がお持ちという古い手帳鉛筆のサイズを、お手隙な折に測っていただけると有りがたく。

    そうそう、師匠にお渡ししたい鉛筆があるので、今年中にお送りします(遅っw

  5. […] 手帳用鉛筆No.25/コーリン鉛筆(COLLEEN) […]

  6. nikichi より:

    http://karikachi.kitunebi.com/bungu/temp/temp01.htm

    面白い資料を提示しておきます。何かのヒントになるかもです。

    「portfolio」用鉛筆は太さが5.8mmと言う事でゆるーい規格が存在したのかも。
    下のは大正から昭和一ケタの雰囲気があるものと思いますが(いつもの勇み足か?)。
    K.I.pencilは古いから・・・。

    それと「内地材」という表現ですが、鉛材の場合は国産材の意味で使っていますので北海道材を含むと考えてよいと思います。一応、元鉛材業者にも聞いてみましたけれども。

    「memorandum」は販売形態ごとゲットしたので少し余裕があります。
    何か送ってくださると言うことであればお礼に!(笑)

  7. nikichi より:

    あっ!緑、紫、赤。

  8. kero556 より:

    >Nikichi師匠、
    資料ならびに、内地材の呼称範囲についてコメントありがとうございます。
    北海道材も今後は内地材として呼ぶようにします。

    PS.物々交換、いたしましょう(笑)

  9. […] 発売時期について 品番の前に「No.」と入っておらず、単に番号だけが刻印されているものは、コーリンでは比較的古いものと考えられます。例)手帳用鉛筆25 また、長さが鉛筆部分で11cmあるのも、手帳用鉛筆の規格が定まっていく以前のものである推定されます。とは言うものの、とある技術が導入されていること・公定価格の表示はありませんので、ざっくりと25以降~No.450以前の間だと今のところ仮定しておきます。 […]

  10. にきち師匠のメモランダムは箱入りで出たんですね!
    証票にBのマークは元々輸出検査用ですので、
    マル公制定以前に輸出用として作られたものかもしれません。

    手元に単品で何本かあったのを思い出しました。
    http://twitpic.com/61bolv

    公定価格の価格査定の基礎となる級別は、
    当初は輸出検査用の等級検査をそのまま利用したようなので、
    すでにマル公になっていた昭和14年以降の可能性もありますね。

    手元にある「メモランダム」には2種類のパテントナンバーがふってあり、
    そのうちの1つはスズキ鉛筆に記載されているナンバーと同一です。
    スズキ鉛筆の製品なのかもしれません。

    このスズキの手帳鉛筆は2種類あって、
    1種類はマルB表示、もう1種類はマル公五銭の表示です。
    おそらくマルBの方が古くて、マル公五銭に移行したものとおもわれます。

  11. […] さらに、公定価格のマークもついていませんから、手帳用鉛筆第一回目に ご紹介した250番よりもさらに古いでしょう。250番はロゴマークが右向きですし。 […]

nikichi にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

WP-SpamFree by Pole Position Marketing