一見、平凡なキャラクターもの鉛筆。でも、コーリン鉛筆の歴史を知る上の資料となるのがこちらのリカちゃん鉛筆。
コーリン鉛筆 りかちゃん
コーリン鉛筆 りかちゃん
実はこれは自分のコレクションではなく、他の方から写真を頂いたもの(こちらでの紹介もご許可いただいています)。
これのどこが資料になり得るかというと…。

ポイントは2つ。

■1:製造されたのは平成9年9月コーリン自社工場である可能性大
品番のX09Iは、X=コーリン自社工場、09=この場合は平成9年、I=9月を表す(平成9年=20071997年)。で、この製造年月が問題

■2:フィルム転写という印刷技術を使っている模様

1についてはちょっと疑問なのです。というのも、コーリン鉛筆は20071997年3月に和議申請、同年5月に倒産していますので、普通に考えるとそれ以後の9月にコーリン自社工場からモノが出てくるというのはおかしいわけで…。普通だと私の品番解読に誤りがある、ということになります。
が、コーリンの場合、そうとも言い切れない部分がありまして。倒産後も、旧経営陣がしばらくの間少ない人数になってしまいながらも、どこかで工場を操業してたようなので。…1997年9月に発売された日経某誌のとあるコーナーに、当の旧経営者がそう語っている記事を見つけました。信じていいものかどうかあれなんですが…ごにょごにょ…。いつまで存続していたかは分かりませんけども、そこから出てきたのかなぁと。どうなんだろう。
まあ、そんなように、倒産時のあれこれをいやがおうにも考えさせる&文章の歯切れを思い切り悪くさせる罪な子なのですよ、この商品は(苦笑)。

で、肝心なのは2です。1995年ごろから鉛筆界で使われるようになった新手法、「フィルム転写」のハシリであったようなのです。リカちゃん部分を拡大するとよく分かります。
コーリン鉛筆 りかちゃん 画像をクリックして見てください。じ~っとみると…りかちゃんの背景部分や髪の毛、お肌あたりが、網目のようになっているのが分かるでしょうか?これがフィルム転写です。コーリン鉛筆も、きちんと当時の技術をキャッチアップしてた(当たり前か^^;)証拠になるかと思います。

…ええと、多分合ってる…ハズ。万が一認識違いがあったら、ご指摘くださいm(_゛_)m

フィルム転写が出てきたんで、次回は、もう一つの方法ともからめて、ちょいと鉛筆の印刷について書いてみます。


本文とは少しずれてしまうのですが、コーリン鉛筆物を集めることについての、私にとっての意味をお話しますね。
時折、複数の方から、「そんな集めるばっかりしないで使ってあげなよ」と指摘を頂きます。モノが生まれてきた意味を考えると、使ってあげなきゃいけない。その通りなんです。なので、ご指摘頂く度にちょっぴり心が痛みます。ただ、私には、コーリンを知りたいという目的がありまして。…自分でも、えらい変わってるもの好きやなぁと思いますが(苦笑)。子供のころ、あの邪悪な三角顔にガツーンといわされたもんでどうにもこうにも…。だってすごいじゃん、あの顔。トラウマですよヽ(`Д´)ノ
それはともかく。
現存している企業ならいいのですが、既に倒産しており、また社史や製品史のような存在も確認できていません(後年のカタログ情報は手に入れましたが)。そうなると、効率が悪いのですが、数を集めて、そこからあれこれ推測していく、という方法を採るしかなく。今でこそ、コーリン鉛筆の元関係者の方々とコンタクトを取れるようになりましたが、その方々もすべての歴史を商品をご存知というわけではないので、やはり、手がかりになるのはモノです。というわけで、せっかく生まれてきたのに使ってあげれないのはしのびないのですが、たくさん集めていっているという訳。もちろん、全部を仕舞っているというのでもないです。使わなければそのモノの持つ特性を知ることはできませんから、複数集まれば、それはきちんと使います。複数を・現在進行形で、です。

そういうわけなんで、たくさん集めてても薄目&生ぬるい目で見守って下さい。わが家人よ!(笑) そして、変わった趣味でごめん、わが家人よ…。ほんとゴメン。えへ☆

——
2008.04.29(火)追記
Kiripenさんからコメント欄でご指摘いただいていた、平成9年の西暦変換がおかしい個所を直しました。平成9年=1997年ですよね^^; 何を思って間違えたのか…もっとしっかりします(汗)。


 

7 Responses to リカちゃん鉛筆~フィルム転写印刷・修正追記あり/コーリン鉛筆(COLLEEN)

  1. nikichi より:

    コアにコレクションしている方は極少数ですから、
    使うというよりは守る(保存)というスタンスで
    良いのではないでしょうか。
    万年筆の収集家団体でも使わないで次世代へ
    歴史と現物を残すといっているようですから・・・。
    使うと何れ消滅してしまいます。
    大正期と戦後の混乱期に乱立した中小メーカーにしても
    分からないことが多いので、調べて残してあげるのが
    歴史としても重要かなと思います。

  2. 早瀬かをる より:

    ひとことに「倒産」といっても、「まったく企業活動ができなくなる」ものから「手助けを借りれば活動自体はできる」ものまでいろいろなので、出荷日が「倒産」のあとでも、おかしくはないのだと思いますよ。
    (特に「和議」は、経営陣に権限が残ったままでの再建方法ということになりますし)
    コレクションで「使うか使わないか」は、そのものの性質、そして量によるのでしょう。
    自分が集めている紙ものなどは「使えばなくなってしまう」ものですし、鉛筆もそうですよね。
    ストックがたくさんあれば、消耗品でも「使う」ことはできますが、現在生産されていないものであれば「集めるだけ」というのもしかたないことだと思います。
    自分の場合、レターセットなどはいくぶん残すようにしながら使ってます。ノートはまったく使わないままで集めてますね(使う場合は何冊も購入します)。

  3. kiripen より:

    コメント書く前に
    2007年= 平成9年
    ではヘン
    また和議の年月日も
    不自然?

  4. kiripen より:

    2007年=平成9年?
    和議申請の年など変。
    調べてみてくだされ

  5. 松本麗香 より:

    こんにちは(^-^)
     
    ■1:製造されたのは平成9年9月コーリン自社工場である可能性大
    品番のX09Iは、X=コーリン自社工場、09=この場合は平成9年、I=9月を表す(平成9年=2007年)。で、この製造年月が問題。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    平成9年は、1997年ですよ~(^^;)
     

  6. 松本麗香 より:

    こんにちは
    使ってナンボの消耗品であっても、消耗したらその後に
    補給できないとなれば、
    使い方は変わってきますよね
    それがお気に入りのものであれば
    使うことに躊躇するのは当然だと思います
    私もお気に入りの本だと保存用と閲覧用に2冊を買・・・(違)
     

  7. Kero556 より:

    >Nikichiさん、
    Nikichiさんにそう仰っていただけると安心します。
    万年筆収集団体の件も納得。
    鉛筆って、消しゴムもそうですけど、使うと明らかに形状が変化し、最終的にはなくなっちゃうんですよね。そこが万年筆やボールペンなどと違って歯がゆいところ(それらも使えば何某かの変化は出ますが)。
    >かをるさん、
    平成9年の西暦勘違い(自分の中では1997年のつもりだったのですがー)のせいで、変なことになっちゃっててすいません。倒産や和議についても、知識が足りず…。
    そうですね、紙も使うとなくなっちゃいますよね。
    >Kiripenさん、
    なんともお恥ずかしい間違いをしておりました。ご指摘ありがとうございましたm(_゛_)m
    また、訂正が遅くなってしまって、長期間誤った情報を掲載していたことも、申し訳ありません。
    >松本麗香さん、
    そうですよね!ほんとごめんなさい。何でこんな間違いしたのか…。2007年ってば去年なのに(苦笑)。
    使うことに躊躇…本もそうですよねぇ。画集や写真集だと特に。
    コレクションについて、皆さんからのコメントを拝見し、「使わないで残しておく」ことの意義を再確認できました。ありがとうございます。
    今度は…また別の悩みも出てきまして。また日を改めてエントリーすることにいたします。

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