前回のエントリーで「手帳用鉛筆のご紹介は一旦休憩」と言いましたが、
コレクション品を整理してたらひょっこり出てきた一本の手帳用鉛筆。
これがまたまたかなり古く、またコーリンの歴史資料として貴重な品っぽい。
充分な検証は未だなのですが、ひとまずさらりとご紹介。

手帳用鉛筆250/コーリン鉛筆(COLLEEN)

手帳用鉛筆250/コーリン鉛筆(COLLEEN)

品番:250 硬度:不明 値段:不明 発売時期:後述
木軸直径:後ほど計測
芯直径:不明 全長:鉛筆部分不明 キャップ含めて12.5cm ↓

手帳用鉛筆250/コーリン鉛筆(COLLEEN)

手帳用鉛筆250/コーリン鉛筆(COLLEEN)

 

 

手帳用鉛筆250/コーリン鉛筆(COLLEEN)

手帳用鉛筆250/コーリン鉛筆(COLLEEN)

 

木軸に刻印してある文言を書き出します。

『H.A.P. Memorandum = Colleen △ 250 』 ※△は”左向き”コーリンマーク

 

H.A.P
これは、「Akagi Hirohachi Product」の略。※Productsかも
後に社名が「株式会社コーリン鉛筆」となってからしばらくもH.A.Pの文字は
製品やパッケージにも残りますが、刻印の最初にこれがきている場合は
まだ社名が「赤木廣八商店」(大正5年3月~昭和22年6月)だった頃の商品だった
可能性が非常に高い。 ※参考:コーリン鉛筆の歴史年表

 

品番
250とだけあります。これも先のエントリーで述べましたが、品番の前に
「No.」がついていないモノは古いものです。

 

コーリンのマークが左向き
今回の商品で一番の注目点はここです。
該当部分を大きく見てみましょう。

手帳用鉛筆250/コーリン鉛筆(COLLEEN)

手帳用鉛筆250/コーリン鉛筆(COLLEEN)

先日の『駄目な文房具ナイトEX~集まれ!文房具超人サミット!』で赤青鉛筆さん
「コーリンのマークは美女ではなくおっさんだ」などとおっしゃってましたが、
そんなことはどうでもよろしい(いや美女よ?笑)。
参照:『駄目な文房具ナイトEX~集まれ!文房具超人サミット!』ライブレポート:
消しゴム、色鉛筆、電卓・・・ニコ生でも3万5千人視聴された超満爆笑怪物イベント」

従来、定説として昭和57年4月にCIした際にコーリンのロゴマークは
右向きから左向きになったとされていますが、
この商品は明らかに昭和57年以前のもの。
つまり、顔の向きが右向きか左向きかきちんと決まる前、
ロゴマークが生まれた瞬間の商品である可能性も否定できないのです。

さらに、公定価格のマークもついていませんから、手帳用鉛筆第一回目に
ご紹介した250番
よりもさらに古いでしょう。250番はロゴマークが右向きですし。

塗装がニスではなくラッカーぽいので、大正時代とまではいきませんが、
昭和に入ってから戦争までの間に製造されたモノ。
私の持っているコーリン手帳用鉛筆としては最も古く、またコーリンロゴや
コーリンの名称が使われ始めた初期の資料として大変貴重な一本です。

 

そうそう、木は木目から推し量るに、インセンスシダーではなく
内地材のどれかのようです。
木材サンプルを引っ張り出し、またNikichi師匠の北海道コーリン木材所の
研究などと照らし合わせ、材木を特定していきたいものです。
それはまた別の話…。

 

>>コーリン鉛筆カタログ化計画-手帳用鉛筆

 

4 Responses to 手帳用鉛筆250/コーリン鉛筆(COLLEEN)

  1. 顔の向きがまだはっきり定まっていない(^^)
    まさにコーリンマークが出来て間もない頃の製品ですね。
    あ、私自身はコーリン三角顔おっさん説に立つものでございますが、
    美女説が作り話だなどとは一言も言ってません。
    記事の内容はカルカル側の捏造です(笑)

  2. kero556 より:

    美女かおっさんかは置いておいて(←根に持ってるw)、
    『「コーリン」というブランドが出来たのは戦前』と
    考えていいのかもしれません。

  3. kero556 より:

    ■ちょこっとだけメモ for 自分
     コーリンで使用していた木材(インセン以外)[出典:日本鉛筆史]

     ●昭和5年よりインセンスシダーが組織的に輸入されるまでは、次の2材を使用
       ・ビャクシン(#)~適材であるも初期に使用したのみで枯渇
       ・アララギ(※、#)~国産鉛筆材としては最上
     ●しかし上記2材は輸送に時間がかかったため他に以下を使用
       ・姫小松(※)
       ・サハラ(#)
       ・桧(#)
       ・シナ(#)
       ・ハン*(※、#)
       ・桂(※、#)
     ●Nikichi師匠も仰ってたが、赤木廣八社長が競走馬を見に
      北海道の日高に出向いた時に、
       ・ハン*
      を発見。社長は馬好き…。

    *ハンと資料にはあるが、正式には「ヤマハンノキ」。
      ※=北海道材
      #=内地材
      @=産地資料無し(今のところ)

    「北海道材は第一次大戦の輸出ブームに始まり、昭和初めから
     輸出禁止の戦争期にかけて全盛を迎えた」の記述あり。

    この手帳用鉛筆には、アララギ・姫小松・ハン・桂のどれかが使用
    されている可能性あり。木目などから更に絞り込めるかもしれない。
    が、今日はここまでー\(^o^)/  

  4. nikichi より:

    cyclingpencilsさんkero556さん、鉛筆会議の際はお世話になりました。

    さて、手帳鉛筆で新たにわかったのはスラットの段階で四寸と五寸というサイズがあると言う事です。

    http://karikachi.kitunebi.com/bungu/colleen/techo.htm

    この一番下を見てほしいのですが、恐らく昭和五十年頃の手帳鉛筆用のスラットです。
    私たちが大きめと思っている物は「五寸手帳のスラット」、標準サイズは「四寸手帳のスラット」
    から取られていると思われます。

    この250の樹種ですが、年輪の間隔が狭く綺麗に出ているのでアララギのように思うのですがどうでしょう。

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