コーリン鉛筆の最高級鉛筆として、間違いなくCORE Gと双璧をなすハイピアス(Hi Pierce)。これについて、何回かに分けて記事にしていこうと思います。
第1回目の今日は、ハイピアス(Hi Pierce)の基本的事項を軽くご紹介。

コーリン鉛筆 ハイピアス品番:Hi pierce 硬度:9H~6Bの17硬度。写真はB。
値段:1本50円 1ダース600円
発売時期:1967年頃とみられる 木軸直径:7.3mm 芯直径:2.2mm

写真だと、ケースには鉛筆12本、くるくる消しゴム(ダーマトタイプの消しゴム)、説明書が入ってます。ちなみに、2007.09.16(日)訂正:HB~6Bは写真のように頭部分がクリーム色、9H~Fは落ち着いた水色になっています。 各硬度ごとに帯の色が塗り分けられていますます。B系は暖色(クリーム・茶色~赤系)、H系は寒色(緑・青系)で、いずれもちょっとくすんだシックな色合いをしており、コーリン鉛筆の言う「ノーブルな塗色」になっています。参照:文具だけ?

▼鉛筆
コーリン鉛筆 ハイピアス艶っつやです。軸先の処理(?)もすごく凝ってて、コーリン鉛筆の意気込みとコストが見えてくるようです(笑)。

▼くるくる消しゴム(ダーマトタイプの消しゴム)
コーリン鉛筆 ハイピアス

高級品らしく、丁寧に箱に入ってます。

コーリン鉛筆 ハイピアス先端部分アップ。

▼プラケース
コーリン鉛筆 ハイピアス

▼説明書
コーリン鉛筆 ハイピアス写真だけだと分かりづらいでしょうから、書き起こしてみます。

COLLEEN  Hi Pierce  ハイピアス
ハイピアスはコーリン鉛筆が新しく開発したHi-Dメソード(超微粒子の原料による特殊物質を加えて化学処理し超高圧により成型したもの)による超高密度の芯です。ピアスとは"貫く"という意味のある英語で、製図用鉛筆として欠くことのできない条件である正しい硬度の配列が無比の精確さで、またその品質に関しても最高の技術水準によって貫かれているところからハイピアスと名づけました。
●かき減りの少ないハイピアス
線や文字をかくとき、粉の散る芯や先端のくずれる芯は、紙上の附着状態が悪く、かき減りが多くなります。ハイピアスの芯は、極微粒子の精選原料を強圧プレス加工してあるので密度が大きく、したがって走筆のときも先端強度は著しく向上しています。
●強く折れにくいハイピアス
ハイピアスの芯は、折れにくいばかりでなく特殊物質を添加し、特殊加工をしてあるので、書き味をそこなうことがなく、曲げ強さ(折損強度)も大です。
●硬度が精確なハイピアス
ハイピアスの芯は、JIS企画の濃度範囲をその使用用途に応じて更に適正化した高度の社内規格(Hi-Dメソード)にもとづき、厳密な品質管理を経て製造されたものです。9Hいあら6Bまでの17硬度は、精確な配列をたもっています。
●なめらかにかけるハイピアス
文字や線を気持ちよくかくためには、なめらかな書き味が必要です。ハイピアスの芯は、その原料である極微粒子の結晶型と、特殊加工とにより、黒鉛のもつ摩擦係数に最も近い数値を示すもので、ために無類のなめらかな書き味をもっております。
●光線遮断効果を持つハイピアス
製図上、光線遮断効果が大きくなくてはよい感光図面はできません。ハイピアスの芯は描線の際、紙の上に極微粒子黒鉛が密着するので、光線の通るすき間ができず、非常に明瞭な感光図面がとれます。
●写真修正用としてのハイピアス
写真修正用としての芯は、附着力の大きいことが必要です。ハイピアスの芯はこの条件を充分に満たし、その上細い点や線まで濃く附着させることができます。
●軸木について
軸木は、北米カリフォルニア産のインセンスシダーを米国で加工したものです。中でも特に良質なスーパー(特級品)を輸入し、さらに厳格な選別検査をおこなった最高の軸木のみを使用しています。
●塗装について
木軸の塗装は、防湿と美観を目的にしています。ハイピアスは、ご愛用いたゞく方がいつも気持ちよくご使用になれるように、ノーブルな塗色を選びました。又特に色帯の表示をして各硬度の識別がすぐできるようにしました。
●容器について
ハイピアスのダース函は、ハイセンスなデザインと機能だけでなく、筆函としても使用できるようアフターユースも考慮して新設計されたポリスチレン樹脂製の近代的センスあふれるケースです。
●より経済的なハイピアス
ハイピアスは以上のように他の鉛筆と比較しても、優るとも劣らぬ性能をもち、経済的な面でも種々の利点を兼ね備えた最高級の鉛筆です。
*9H~F・HB~6B 17硬度 1本¥50 1ダース¥600

コーリン鉛筆株式会社
J 7 Q6707

こんなに技術を詰め込んだ芯・塗装、デザインもがんばったプラケース、消しゴムだってつけてるのに、"経済的"とか言っちゃってダイジョブ?、コーリン鉛筆。と、この説明書を最後まで読んで、真っ先に思ったのがそのことでした。"経済的"である、という付加価値はつけなくて良かったんじゃないのかなーっ。

というのは置いておいて、次回は、他社の高級鉛筆と書き比べをしてみます!

▼おまけ
艶っつやっぷりが少しは伝わるでしょうか?
コーリン鉛筆 ハイピアス

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2 Responses to ハイピアス Hi pierce(1)・訂正あり/コーリン鉛筆(COLLEEN)

  1. にきち より:

    説明書の最後に「J 7 Q6707」とありますが、1967年7月と考えて良いのでしょうか。だとしたら他の商品の取説の年代推定にも応用可能かも?

  2. kero556 より:

    >にきちさん
    こんばんわぁ^^
    >説明書の最後に「J 7 Q6707」とありますが、
    >1967年7月と考えて良いのでしょうか。
    なるほど!数字の意味を考えたことが無かったので、
    目からうろこです。さすが、にきちさん!
    確かに、1967年7月と読めますね~。
    製造年月だと仮定して、他の商品についている
    数字+アルファベットを注意して見るいくことにします。

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